CASE 04

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バイオクリアー ブラックトライアングルキットの臨床

わしの歯科クリニック 鷲野 崇 先生(左)
石川歯科 小川 雄大 先生(右)

バイオクリアーマトリックスシステムに、ブラックトライアングルを封鎖することに特化して設計された新たなラインナップが加わった。従来のバイオクリアーマトリックスシステムでは、歯間部を封鎖するために、マトリックスの大きさ選択に幾ばくかの時間を要し、また、症例によってはマトリックスをトリミングする必要があったが、この新システムではその点において極めて効率化されていることが大きな特長である。その鍵は、「カラーコード化されたプローブ形ゲージ」にある。

施術に先だって、術者は修復したい歯間部にピンク・イエロー・グリーン・ブルーとカラーコード化されたプローブ形ゲージを水平的に差し込み、その幅を計測する(ゲージが止まるところで先端部の色をチェックする)。その色は適用するマトリックスの選択に、そのままサイズと形態選択に準拠するように設計されているため、ピンク・イエロー・グリーン・ブルーとカラーコード化されたマトリックスを選択すれば、半自動的に理想的な歯の豊隆形態が付与できるという仕組みである。

マトリックスは全部で8種類のラインナップになる。基本的にはラージサイズが上顎用、スモールサイズが下顎用であり、それぞれピンク・イエロー・グリーン・ブルーと湾曲度合いが違うように設計されている。カラーコード化されたゲージを用いてブラックトライアングルの大きさを術前診査することで、より確実に、そしてより素早くコンタクトエリアの封鎖が行えるようになっているため、非常に便利である。
実際の症例を供覧したい。

1.歯間乳頭部の封鎖を行った症例(BT092使用)

図1-1 ゲージを用いて左上1近心の鼓形空隙を埋めるために、どのマトリックスが最適であるかを診査する。

図1-2 それに準じて、ラージ(上顎用)マトリックスの赤を選択した。

図1-3 充填し、研磨したところ。

2.正中離開の封鎖を行った症例

図2-1 術前

図2-2 術前診査
修復する歯の歯間部にバイオクリアー ブラックトライアングルゲージを挿入 し、ゲージ先端部のカラーと同じ色のバイオクリアー ブラックトライアングルマトリックスのタブの色の種類を選択する。

図2-3 防湿〜マトリックスの試適
バイオクリアー ブラックトライアングルゲージを元に選択したバイオクリアー ブラックトライアングルマトリックスのタブを保持し、タブを切縁(咬合面)方向に向け、反対側の辺縁を歯間部および歯肉溝内に挿入し、適合させる。

図2-4 歯面清掃〜リン酸エッチング処理
表層のバイオフィルムを丁寧に清掃後、リン酸エッチング処理を行う。歯面のバイオフィルム清掃には、バイオクリアー染色液とコンタックEZを用いると便利である。歯間部および歯肉溝内に挿入し、適合させる。

図2-5 歯面処理〜バックウォール充填
プライマー、ボンディングの処理後、充填操作に移る。予め作ってあWaxUpをシリコンにて印象してあり、これをバックウォールとして口蓋側の充填を行う。

図2-6 充填
バイオクリアー ブラックトライアングルマトリックスに沿ってCRを充填する。バイオクリアー ブラックトライアングルマトリックスは歯の隣接面曲線形態を再現できるように輪郭が設計されているため、マトリックスに沿ってコンポジットレジンを流し込むだけで美しい前歯の隣接面形態が再現できる。

図2-7 研磨仕上げ
形態修正、研磨をして仕上げたところ。

図2-8 術後

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