CASE 02

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バイオクリアー ダイヤモンドウェッジの有用性および臨床例

秋本歯科診療所 秋本 尚武 先生

臼歯隣接面う蝕のコンポジットレジン修復においては、現在各社から紹介されている隣接面修復用マトリックスシステムを使用することで、コンポジットレジン修復による隣接歯との接触点の回復および適切な豊隆を持った隣接面の解剖学的形態付与が比較的容易になった。いずれのマトリックスシステムも、あらかじめ豊隆がついたマトリックスバンド、ウェッジそしてマトリックスリングにより構成されている。
マトリックスバンドとマトリックスリングは、ここ最近様々な形態のものが開発されてきたが、ウェッジは従来の木製ウェッジがプラスチック製になる程度であり、ウェッジ自体の形状が工夫されたものは少ない。充填時にレジン接着材とコンポジットレジンが隣接面歯頸部に流れ出しバリとなるのを防ぐため、ウェッジによりマトリックスバンドを歯質に密着させることが非常に重要である。下部鼓形空隙にウェッジを挿入しバンドを歯質に密着させるが、これまで様々な症例に対応したウェッジがなかった。今回紹介する米国バイオクリアー社のバイオクリアー ダイヤモンドウェッジはこれまでにない臨床的工夫が施された形態になっており、2級修復のマトリックスシステムのウェッジとして非常に有用である。
ダイヤモンドウェッジの形状は、ウェッジ上部に泉門のような切れ込みがあるのが特徴である。この形態によりあまり力を入れずに挿入でき、また挿入後はウェッジが元の形状に戻りマトリックスバンドを歯に密着させる。そしてプラスチック製のウェッジでよく起こるウェッジが装着後に抜けることもなくマトリックスバンドの密着状態を維持する。ラバーダム装着時においても、ウェッジ挿入時にラバーを引っ掛けることなく容易に挿入できるところが非常に良い。

バイオクリアー ダイヤモンドウェッジ 臨床例

1.術前
下顎左側第二小臼歯MODインレーの再修復。

2.ラバーダム
最後方臼歯にクランプを装着し患歯を含め5歯露出させる。

3.メタルインレーおよびう蝕象牙質の除去 
インレー除去後、う蝕検知液を指標にう蝕象牙質を削除する。

4.マトリックスとダイヤモンドウェッジの装着
マトリックス装着後、近遠心にダイヤモンドウェッジ スモールを挿入する。

5.ウェッジの適合状態
ダイヤモンドウェッジによりマトリックスが歯肉側マージンに密着している。これによりCR材料の溢出を防ぐ。

6.汎用リングリテーナーの装着
リングリテーナーにより歯間離開とマトリックスの歯質への密着を行う。

7.充填直後
接着処理後、フロアブルコンポジットレジンにより充填を行う。

8.術後
通法に従い形態修正、研磨を行う。

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